若いころは運動していたんだけど。今からやっても遅いでしょ?
歳を取ると筋肉はつかないから、運動しても無駄。
こんなお悩みをお持ちではないですか?
記事の内容
・筋肉の重要性
・効果的に筋肉を鍛える方法
記事の信頼性
イマエン(@ima_enjoy)
イマエンといいます。
理学療法士という資格を持つ、動き・運動の専門家です。
病院でリハビリ業務→介護施設で管理・統括→現在:ジムでマネジャー兼トレーナー
いろいろな方のリハビリやトレーニングを通じて、正しいカラダの動かし方・正しいトレーニングを指導してきました。このブログでは、「人生を楽しめるカラダ作り」をテーマに情報を発信しています。
あなたは筋トレをしていますか?
「忙しくて運動する時間はない」「デスクワークで肩や腰が痛い」
実はそんな人にこそ筋トレをして欲しいんです。
年齢を重ねると、筋肉量が減少するといわれています。
だからといって、諦めることはありません。
いくつになっても筋トレをすれば筋肉量の維持・増加は可能なんです。
そこで今回は「どうして筋トレが必要なのか(女性編)」をテーマに解説していきます。
結論から言います。
・女性はダイエットなどを理由にタンパク質の摂取量が少ない傾向がある。1日の摂取量を見直しましょう
・女性は40代を過ぎると筋肉量(特に下肢)が減少するので、筋トレをして筋肉量を維持・増量することが重要
・筋トレをするなら筋肉が大きい、下肢の筋トレを積極的に行ないましょう
この記事を読むと、筋肉の重要性を理解でき、より効果的な筋トレを実践できるようになります。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
身体を動かす上で最も重要なのは「筋肉」
「コーヒーを飲みたい」
「早く料理を作らないと」
ヒトは何か行動をするとき、脳からの指令が筋肉に伝わります。
指令が伝わった筋肉は収縮し、関節が動かされることによって様々な動きが可能になります。
筋肉は身体を動かすのに必要不可欠な存在です。
筋肉には大きく分けて3つの種類があります。
骨格筋:歩く、物を持つなど身体を動かす筋肉
心筋:心臓を動かす筋肉
平滑筋:内臓や血管にある筋肉
それぞれ大事な働きをしていますが、骨格筋は意識して動かすことができ、トレーニングによって鍛えることができます。
ヒトには600を超える数の筋肉があり、そのうち心臓や内臓を動かす筋肉などを除き、身体を動かす筋肉は約430あります。
筋肉の源はタンパク質
筋肉はタンパク質でできており、そのほかにも臓器や皮膚、骨、毛髪など様々な部位の主要成分として存在しています。
タンパク質は20種類のアミノ酸の集合体で、アミノ酸は大きく2つに分けられます。
必須アミノ酸:身体の中で生成することができず、食事から摂取しなければならない
非必須アミノ酸:身体の中で生成することができる
必須アミノ酸である9種類のアミノ酸をバランス良く摂取することは、筋トレをして筋肉を作る上で大切です。
必須アミノ酸がバランス良く摂取できていないと、筋肉量の減少や髪・肌のトラブルが起きやすくなります。
9種類の必須アミノ酸がバランス良く取れる食材は肉類、魚介類、牛乳、鶏卵(全卵)、大豆です。
現代の日本人の食事は以前に比べ、魚介類の摂取が減り、動物性脂肪の摂取が増えています。
また、若い女性の中には無理なダイエットをしている人もおり、タンパク質の摂取が不足する傾向にあります。
ただし、タンパク質は筋肉を作る上で重要な栄養素ですが、アスリートなど激しい運動を行なっている人でなければ、プロテインなどで過剰にタンパク質を摂取する必要はありません。
消費されずに余ってしまうと、体内で脂肪に変換され蓄積します。
つまり、摂取しすぎると体脂肪が増えて、かえって太ってしまうのです。
筋トレを無駄にしないタンパク質についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を合わせて読んでみてください。
「今」から始めて、筋肉の貯金を蓄えよう!
筋肉と年齢の関係
加齢とともに筋肉量が減ってしまうのは皆さんご存知だと思うのですが、何歳くらいから筋肉量は減ってくるのでしょうか?
谷本らによる「日本人筋肉量の加齢による特徴」の研究では、約4,000人を対象に性・年齢別に筋肉量を測定しています。
全身の筋肉量は女性の場合、40代をピークに低下しています。
下のグラフは下肢(足)の筋肉量を測定した結果です。
下肢(足)の筋肉量は20歳代から減少し始めており、腕や体幹などの他の部位に比べて先行して衰えが始まることがわかります。
高齢になると、歩行や階段の昇り降りなど移動能力が他の機能より先行して障害されるのもこうしたことが要因の1つと考えられます。
30歳以降の筋肉量の減少カーブをできるだけ緩やかにすることが、今の健康だけでなく将来自分の足でしっかり歩く、介護の必要なく元気に生活する上でも大切です。
筋トレと年齢の関係
運動や筋トレを行なうことで加齢に伴う、筋肉量の維持したり減少を緩やかにすることが可能なのでしょうか?
海外の研究になりますが、Fiataroneらは後期高齢者や虚弱高齢者に対して高負荷の筋力トレーニングを実施しました。
その結果、筋力だけでなく歩行などの身体機能も向上したなどの報告もあります。
日本でも新井らによる高齢者を対象にした研究でも年齢・性別はあまり関係なく筋力トレーニングが身体機能の改善させることが示されています。
その他にも高齢者を対象とした介入研究では、身体機能が低い人ほど高い改善効果があり、この改善効果には年齢や性別の影響が少ないことが示されています。
多くの研究で、高齢になっても筋トレを行うことで、筋力などの身体機能の改善が認められています。
加齢とともに筋力が低下し、歩行が不安定になり活動量が低下した方がリハビリを行ない、元気に外出できるようになった姿を私もこれまでたくさん見てきました。
正しい方法で行なえば体力に自信のない方でも十分な改善効果が期待できます。
年齢や性別は関係なく、本人が「このままではダメ!何とかしたい!」と決意し実行できればいつ始めても遅いということはありません
下半身の筋肉を鍛えて効率良く筋肉量を増やす
他の部位に先行して筋肉量が減少する下半身ですが、下半身を鍛えるのにはこんなメリットがあります。
1.効率的に筋肉量を増やせる
筋肉は大きい筋肉を鍛えた方が筋肉がつきやすい特徴があります。
下半身の筋肉は身体の中でも大きな筋肉が多く、全身の筋肉量のうち、約70%が下半身にあります。
そのため、下半身を鍛えると効率的に筋肉量を増やすことができます。
2.筋肉量が増えると基礎代謝が上がる
筋肉量が増えると基礎代謝(人間が生きているだけで消費するカロリーのこと)が上がります。
カロリーを消費しやすい身体になるので、痩せやすい・太りにくい身体になります。
3.スタイルの改善
加齢により筋肉量が低下してくると、それとともに姿勢やスタイルの変化が起こります。
お尻の筋肉「大殿筋(だいでんきん)」を鍛えることでヒップラインを上げることができます。
下半身を鍛えることは将来への筋肉の貯蓄だけでなく、痩せやすいカラダ、姿勢の改善にも繋がるのでぜひ、やってほしいトレーニングです。
でも実際、何をすればいいの?と悩まれる方はコチラのMarinaさんの動画を見ながらトレーニングをしてみるといいと思います。
1.(ワイド)スクワット
1.足を肩幅よりも広く開き、つま先を45度外向きにします。
2.ひざをつま先の方向に向けながら曲げて、腰を落としていきます。この時のポイントとしてはひざがつま先より前に出ないようにお尻を後ろに引くことを意識してください。
3.お尻の高さと床が平行になるくらいまで腰を落とせたら、元の姿勢に戻ります。
スクワットでは太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)とお尻の筋肉(大殿筋)が鍛えられますが、ワイドスクワットにすることで太ももの内側の筋肉(内転筋)も鍛えることができます。
2.ランジ
1.まっすぐに立ちます
2.足を後ろに1歩踏み出し、つま先をつきます。
3.残した足のひざを曲げていき、重心を下げていきます。この時にひざがつま先より前に出ないように意識してください。
4.後ろの足を元の位置に戻します。
ランジでは大腿四頭筋、大殿筋、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)が鍛えられます。
痛みが出てしまう場合は無理をしないでくださいね。
ひざの曲げる角度を浅くしたり、回数を少なくするなど自分に合わせて行なってください。
いつだって「今」が一番若い!さぁ、筋トレを始めましょう!
今回は女性の筋トレの重要性、加齢に伴い筋肉量の変化についてご紹介しました。
内容をまとめました。
・女性はダイエットなどを理由にタンパク質の摂取量が少ない傾向がある。1日の摂取量を見直しましょう
・女性は40代を過ぎると筋肉量(特に下肢)が減少するので、筋トレをして筋肉量を維持・増量することが重要
・筋トレをするなら筋肉が大きい、下肢の筋トレを積極的に行ないましょう
年齢を重ねても、筋力トレーニングを行なえば筋肉量を増やすことが可能だということがお分かりいただけましたか?
女性の中には「筋トレをしたらボディビルダーのようにムキムキになってしまう。そんなのイヤ!」という方もいると思います。
ですが、安心してください。
女性はホルモンの影響や脂肪を溜め込みやすいため、男性に比べて筋肉がつきにくいです。
筋トレをしたからすぐにムキムキボディになるわけではありません。
「今この時」が自分にとって一番若いですから、ぜひ「今日」からトレーニングをスタートしてみてください。
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